今からはじめる世界

今からはじめる『大逆転裁判』の世界

これから新しいコンテンツに出会う人へ、沼に招き入れたい 手助けがしたいコーナーです。今回は、カプコンのゲームソフト『大逆転裁判』シリーズを取り上げていきます。

『逆転裁判』から派生したもう一つの世界

『逆転裁判』は、ニンテンドー3DSの2つ前の世代であるゲームボーイアドバンス時代に生まれたアドベンチャーゲームだ。主人公は弁護士になり、理不尽な罪を着せられた弁護人を守るため、事件を調べて裁判へと立ち向かう。裁判は常に逆境でギリギリまで追い詰められていくが、活路を開き、タイトル通り逆転して勝利を掴む達成感がとても気持ち良い作品。ナンバリングは6まで続き、スピンオフ作品も多数生まれている。その中の1つである『大逆転裁判』は、逆転裁判1〜3までに携わったシリーズ生みの親の巧舟氏が久々に腕をふるって産み出された作品なのです。

大逆転裁判の舞台は19世紀末の日本とロンドン。充実の歴史と比較するとちぐはぐなところもあるけれど、大逆転裁判での日本は明治時代、ロンドンでは産業革命が起きている時代だ。夏目漱石やシャーロック・ホームズが登場し、スチームパンク感を加えたレトロな世界観となっている。この作品の世界観はとても推せる。

最低の評価を下された『大逆転裁判1』

大逆転裁判は1と2が出ているが、その1作目は多くのプレイヤーから最低の評価を下された。酷評された理由は「ゲームが面白くないから」ではなかった。大逆転裁判1は、あきらかに続編が出るの前提で、根本的な解決がされないまま終わってしまう未完の作品だったのだ。

シリーズ特有の「裁判でギリギリに追い詰められてから華麗に逆転する」要素は、バランス感がとても重要。過去のシリーズでも、そのバランス感がうまくいってなかった時はレビューに響いていた。大逆転裁判では新しく、市民から選ばれた陪審員6人が裁判に加わり、主人公は好き放題言われてボッコボコにされる。そんなストレスもあったので、ストーリーが気持ちよく終わらないというのは、酷評を生む結果となってしまったのかもしれない。

問題は、そもそものシリーズの在り方にあったと思う。逆転裁判シリーズは全5話構成で、それぞれオムニバス形式で事件を解決していくわけだが、それとは別に大きな本筋があって今までの伏線が最終話で繋がる、というのが定番。でも、大逆転裁判1は全10話構成の1〜5話という感じの作品だった。今までのシナリオ構成の縛りが良くなかったんだと思う。

そんな大逆転裁判は2の発売とともに評価が大きく変化する。

汚名返上どころか最高傑作に登り詰めた『大逆転裁判2』

大逆転裁判2は、全10話構成の6〜10話部分。大酷評された1と違い、2は恐ろしいほどに大絶賛されている。全10話構成でばら撒きまくった伏線が、綺麗に回収されてラストに繋がる達成感、いわゆるカタルシスが今まで以上に大きいものとなったからだ。1が未完だったから叩かれただけで、この作品の世界観を気に入っている人は多かったのだろう。この絶賛はプレイヤーが得ることができた体験への歓喜の叫びなのだ。

ゲーム的な変化と評価したいポイント

逆転裁判シリーズには音声はなく、会話ではピロピロ音が鳴る。発売前のプロモーションムービーでは音声が付いているので、初心者が騙されるのがお約束になっている。でも、逆転裁判5からはアニメーションムービーとボイスが実装されることになった。このゲームに限ったことじゃないですが、私はこういうムービーをつけられるのがあまり好きじゃないんです。

逆転裁判5よりあとに発売された大逆転裁判シリーズではムービーは無い。3Dモデルをそのまま動かして演出にこだわり、特別な会話シーンにのみボイスをつけるという形に変化した。ここは個人的に評価していて、語らずにはいられないポイントだ。

どこから手をつければいいの?

上で語ったように、大逆転裁判は1・2セットで全10話の作品だ。両方買ってまずは1から始めよう。1・2ともにニンテンドー3DSとiOS・Androidで発売されている。3DS版とスマホ版の違いは立体視。大逆転裁判1では立体視が話のネタに組み込まれていたりもするが、さほど重要では無いので好みの問題。手軽さでいえば断然スマホ版だが、逆転裁判シリーズは立体視が綺麗なので、3DS版も体験して欲しいところ。

プレイボリュームは2作合わせて40〜50時間ほど。2週間は大逆転裁判の世界を堪能できるでしょう。大逆転裁判は、ほかの逆転裁判シリーズをやっていなくてもまったく問題ないので、逆にここからデビューしてほかのシリーズに興味を持つのもアリです。

今からはじめる『大逆転裁判』の世界